クロも歩けば棒にあたる

老犬クロの介護日記、そして、天国へ旅立ったクロへ。

クロは歯が生え変わり始めた頃、
犬のおもちゃで引っ張りあいをするのが好きでした。

その日もおもちゃをくわえてきたので、いつものようにやっていました。

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ぐいっ、ぐいっ! ぐいっ、ぐいっ!

すると、『スポン…ッ!』

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     「あれ??」

クロもボーっとしてるので、どうしたんだろう?と思い、
おもちゃを見てみると、

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クロの、折れた歯がおもちゃに刺さっておりました…。

それからは手加減しつつ、の、引っ張り合いです。
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子犬のときからクロは、きゃぴきゃぴ動き回ることもなく
寝てばかりでした。

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涼しい所を探して、
あっちへ、こっちへ…

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相変わらず、上目遣いです。
私が仮名:ヤマさん の名前を何にしようか、あの顔だから、純和風の名前がいいかな、と
いろいろ考えながら帰宅したら、”ヤマさん”は、「クロ」と呼ばれていました…。

クロは子犬っぽく、きゃぴきゃぴと寄ってくる事もなく、ぬぼーっと歩いてきて、
「クロです。よろしく。」とでも言うように、上目遣いでこちらを見ました。

出会った日にクロのお尻から出た白いニョロニョロが、あまりにも衝撃的だったので、
しばらくは抱っこするのにも少し遠慮ぎみでした…。

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よーしよし、よーしよし…。
ちょっと、距離のある抱っこで…。

クロは虫が完全にいなくなるまで、病院に通いました。

お薬を飲んで、何度か通院して、クロの体から、虫はいなくなりました。

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おしり、スッキリです。





ちょうど14年前の今日、我家にクロがやってきました。

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もらった人に聞いたところ、クロは山で捨てられたのか、山でウロウロしていて、
通りかかった人について、山から下りてきたそうです。

そしてペットショップの人に預けられ、
仮名:ヤマさん (山から下りてきたので…)と呼ばれ、
お世話になっていたそうです。
そのご家族の方がもらい主を探していて、
ちょうど犬を飼おうかと思っていた私のところにお話が来ました。

大きい子だと世話が大変なので、聞いてみると、
「大きくなっても柴犬くらい、熊みたいで可愛いです。」という情報を得たので、
とりあえず会うことになり、電車に乗ってやってきた”ヤマさん”…。

第一印象は、「足、太…。」

確かに熊みたいではあるけど、
ぬぼーっと出てきて、上目遣いでこちらを見る”ヤマさん”は、
私が思い描いていた子犬のイメージではなかったのです。

電車に揺られて連れて帰り、出してやると、
ふらふら出てきた”ヤマさん”のお尻から白いモノが…。

「………!!」

ヤマさんをくれた人に電話をしたら、「虫下し」の薬を飲ませていたそうで、
その「虫」がにょろにょろ出てきたようです。

アドバイス通り、水を飲ませて、
疲れた”ヤマさん”は、そのままコロンと倒れて寝てしまいました。

寝ている”ヤマさん”を眺めながら、私達家族は、
「この足…、こりゃ、大きくなるぞ…。」と、話しておりました。

私はその日、TDLに行く約束があり、”ヤマさん”のことが
気になりつつも、夜行バスに乗るために、家を出ました。





「老犬クロの介護日記」といっても、クロはなんとか自分で歩けますし、
立ち上がれなかったり、何か不満がある時は、
「ワン。」と一声かけてくれますし、まだまだ楽なほうです。

寝たきりになったら、本当の介護生活が始まるでしょうから、
今は介護の練習のようなものです。

クロが転んだら、
「おやおや、クロさんどうなさいました?」

クロが起きてきたら、
「クロさん、お水ですか?おトイレですか?」

と、まるでお坊ちゃま扱いです。

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たぶん笑っているのではないのでしょうが、
クロ坊ちゃまがこうして穏やかな顔をされていると、
私達、使用人はホッとするのです。

クロはオスですが、もうおじいちゃんですし、
おしっこの時は片足を上げることもなくなりました。

おじいちゃんだから…というより、
今は心臓も弱っていて、自分の体重を支えるのがやっとなので、
おしっこの時は後ろ足をふんばっています。

もともとは家の裏の決まったところで済ませていたのですが、
年をとるにつれ、段差を越えて裏へ行くのが面倒くさくなったのか、
こっそり庭の隅でしていて、母に怒られてしまい、
「失礼しました!」と言わんばかりに逃げていました。

今では、自分でおトイレに出てくれるだけでもありがたいので、
庭でしていても、「ヨシヨシ。」です。

あっちへ…

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こっちへ…

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一応恥ずかしいのか、向こうを向いてします。

水を沢山飲むから、おしっこも長く…、
その都度、じょうろを抱えたお供の者が、臭い消しのお薬をまきに、ついてまわります。

庭の手入れが大変ですが、後ろ足をちょっと踏ん張っている後姿が可愛らしいので、
ついつい、笑ってしまいます。





ごはんの時、水を飲む時、
あまり見えていないのか、餌入れを床に置いていると、
クロが蹴飛ばしてしまったり、こぼしたり、
水入れに足を入れてボーっとしてしまっていたことがあります。

そして頭を下げて食べるのがしんどそうなので、
少しは楽なように、今ではクロ用の食卓を作っています。

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たまに立ち上がるのがしんどそうな時は、水やご飯を顔の前に持っていってやります。

食べ散らかし、飲み散らかし…、
ご飯を混ぜてやると大抵、鼻の頭にご飯粒を付けています。

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無表情ですが、これは「もうちょっと欲しい。」時の顔です。
これはちょうど一年前の写真です。

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脳神経外科で入院していた父が無事退院し、
もう必要がなくなった固定具を付けてみました。

違和感を感じないのか、とくに嫌がることもなく…。

最近たまに、頭が揺れているクロを見ると、
置いておけば良かったかも…と思ったりします。

…嫌がりますね、きっと。
暖かくなって、クロは廊下や玄関、庭で寝ることが多くなり、
お布団で寝ることが減りましたが、
冬の間はほとんどお布団で寝ていました。

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お布団は母が、クロ用に作り直したものです。
手縫いでちまちまと、枕まで作っておりました。


そういえば、私もセイキセイインコのピーちゃんに
お布団を作ったことがあります。

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今はお布団で眠ることもなく、枕も放り投げてしまいますが…。


クロは暖かくなってきてからは布団で寝ることが減り、廊下や玄関で寝るようになりました。
明け方涼しくなると、私達の布団に寝に来ます。
そして母が食事の準備を始めると、起きてその様子を見にいきます。

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食欲がある時は、ドッグフードと一緒にお薬を飲みますが、
あまり食欲がないときは、一苦労です。

もともと食べ物の好みが難しいほうだったので、
昨日喜んで食べたものでも、「今日はイヤ。」と、全く食べないことがあります。
痴呆の症状があらわれてからは特に頑固です。
前は迷わず食べていた犬用の缶詰も、好みが激しくて、何種類も買いました。
いろいろ試して、その日に食べそうなものにお薬を入れます。

ごはんを食べたら外に出て、お水を大量に飲んで、おトイレをします。
調子が良い時は父と散歩に行き、帰るとお水を大量に飲んで、庭でたそがれます。
たまに訳もなく吠えます。

寝て、寝て、おトイレをして、寝て、おやつをもらって、寝て…

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夕方、散歩中のワンちゃんと吠え合います。

夕方のごはんも朝同様、一苦労です。
クロは薬入りのごはんをちゃんと食べた、というだけで
「えらかったねぇ!」と褒められます。

以前は食欲がありすぎて、困るほどでしたが、
発作が起きてからは全くごはんを食べない日が2日続いた事がありました。

今はただ、ごはんをたべてくれるだけで嬉しいのです。

そして家族の食事をチェックした後、
「お先に失礼します。」と言わんばかりにお布団へ。

暑い日は場所を変え、場所を変え、寝ます。
自分で立ち上がれないときは、私達に「ワン。」と一声かけます。

夜中、数時間おきに起きてきて、水を大量に飲み、飲み…。
庭へおトイレをしに出ます。

クロの発作が起きてからは、夜中に発作が起きてクロが頭を打ったりしてはいけないのと、
クロがおトイレに行きたい時にドアを開けてやったり、転ばないように支えてやったりする為に、
私達お供の者は、下の部屋で寝ています。

夜中に起き出したクロに踏まれてしまう事もあります。

落ち着きがなく、家の中をぐるぐる歩き始める事もあります。
そして寝心地の良い所を探して寝ます。

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クロがすやすやと眠ってくれていると、私達は嬉しいのです。










2012年1月1日、もうすぐ14歳になるクロに異変がおきました。
庭をぐるぐると落ち着きなく歩き回り、柱にぶつかって、転んでまた歩き…。
そして疲れてしまったのか、眠ってしまいました。
しばらくして何事もなかったように起きてきましたが、
その日はボーっとして、私たちのこともあまりわからないようでした。

クロの老いを感じ、最初はショックでしたが、
ちょっと頑固になったり、ヨロヨロ歩く姿もまた可愛らしく、
子犬から飼い始めて、老犬になるまで世話をできるということは、幸せなことだと思いました。

日記を書くのは苦手ですが、クロとの1日1日を大事にしたいと思い、
ふと思い出したことや面白かったことを無理なくつづっていければ…と思います。

(2012年1月~3月分は過去にさかのぼって記録。)